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東京高等裁判所 昭和55年(行コ)97号 判決 1981年3月26日

控訴人

樹下公夫

被控訴人

東京労働基準局長細見元

右指定代理人

福島尚嗣

(他二名)

右当事者間の裁決取消請求控訴事件について、当裁判所は、次のとおり判決する。

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

一  控訴人は、「原判決を取消す。被控訴人が控訴人に対してした昭和五五年六月九日付裁決を取消す。訴訟費用は、第一審及び第二審とも被控訴人の負担とする」との判決を求め、被控訴人指定代理人は、主文と同趣旨の判決を求めた。

二  当事者双方の主張及び証拠関係は、原判決事実摘示のとおりであるから、それをここに引用する。

理由

一  当裁判所もまた控訴人の本訴請求を失当と判断するものであり、その理由は、次のように加除訂正をするほかは、原判決の理由記載と同一であるから、それをここに引用する。

原判決四枚目表八行目の「通告するもので」の次に「あるが、同法は使用者がその申告をしたことを理由に労働者に不利益な取扱いをしてはならない旨を定める(同条第二項)のみで、その申告の手続や申告に対応する労働基準監督官の措置について別段の規定を設けていないことからして」を加え、同九行目の「一契機」を「有力な契機」と改め、同一一行目の「負わせるものではない」を「負わせたものと解することはできない」と改める。

二  そうすると、被控訴人がした本件裁決は正当であり、その取消を求める控訴人の本訴請求は、失当として棄却すべきである。

よって、これと同趣旨の原判決は相当であり、本件控訴は理由がないから、これを棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第九六条、第八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 小河八十次 裁判官 内田恒久 裁判官 野田宏)

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